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イコーが産声をあげた平成10年は震災後の特需も終焉を迎え建築業者の再編が行われている真只中であった。わたしの父親が経営する水道工事店は突然、取引先の夜逃げにより売掛債権が回収不能となった。そしてわずか300万円の焦付きで廃業に追い込まれる事となった。

主要取引先を失ったわたし達親子は離ればなれになるしか選択肢はなくわたしは道具を目一杯詰め込んだ軽貨物自動車を譲り受け独りきりの再出発となった。



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引先を失い売上高は父親が経営していた頃の1/10と激減した。これでは家族を養う事など到底無理と思われた。しかし当時仲良くさせて頂いていた同じ年齢でもある水道屋の社長が仕事を紹介してくれた。そして当面はその社長の仕事を手伝う事で生活費を賄った。彼の仕事振りは素晴らしく水道屋のわたしが見ても惚れ惚れするきれいな配管をしていた。おかげで彼の仕事は忙しく仕事が途切れる事はなかった。彼の腕の良さに感謝した。と同時に彼の仕事を随分と盗ませて頂いた。



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たしはまずノーを言わなかった。せっかくわたしに頼んでくれているのに断ることで別の業者に接触されるのが怖かった。次の仕事の際ライバルが増え仕事もそっちに渡ってしまう事になる。ノーを言わないというより、言えなかったというのが事実だ。とにかくやったことのない工事、ましてや聞いた事もない内容の電話にも「わかりました」と引き受けた。そして引き受けた後はありとあらゆるネットワークを使いなんとか仕事をこなしていった。そして戸建住宅の内部配管を中心に仕事が少しずつではあるが増えていった。

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建新築住宅の仕事をしているとたまに引込工事の見積りも依頼される事がある。わたしは西宮市内にある結構有名な老舗業者に仕事を依頼した。工事金額は相場より2割ほど安くしていると聞いたので、そこに1割から2割の経費を上乗せして工務店に提示した。この際工務店から高いとか安くならないか等の値交渉は全くなかった。工務店が更に上乗せして事業主に請求したかは知る余地はないが、どの現場の見積りも断られる事がなかった。百発百中であった。

当時わたしは引込工事のような特殊な工事なんてものは出来ないと考えていた。ところが4人から5人の作業員が来て1日で仕事を終わらせ50万も60万も持って帰る姿を見て自分でやりたいと思うようになった。
しかしこの引込工事をするには水道局への申請だけでは足らず、道路管理者や警察、処によっては消防署等にも許可が必要であり初めて挑戦する者にとって大きな障害となった。ましてや当時ドル箱と言われた引込工事のノウハウを教えてくれる業者など一つたりともなかった。 当時は水道局でさえ新規業者には閉鎖的であった。

しかしわたしの脳裏にはこんな思いがどんどん蓄積されていった。


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く思うようになった。そして工事を見る度やりたくなった。

まず業者を探した。なるべく小規模な業者を探した。運よく私の求めるピッタリの業者が見つかった。これも先述の同じ年である水道屋社長の紹介だ。この業者から仕事を盗むのにはそう時間はかからなかった。段取りが完璧でない分わたしが覚えなければいけないからだ。次第にわたしは仕事を覚え特殊な専門道具だけ貸してもらうようになった。そして仕事を収める事が出来た。次は道具を揃えた。建設機械や工事車両も購入した。土砂を仮置き出来る敷地も確保できた。準備はすべて整い本格的に引込工事に参入する事になった。

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部配管工事をきっぱり辞め引込工事一本で勝負するには勇気がいった。何より売上が確保できるか心配だった。何より親父の二の舞だけにはなりたくなかった。不安だらけだったが自分のやりたい仕事だけに取り組もうと決意した。それからは物件の調査の為、毎日水道局に足を運んだ。西宮市、尼崎市、宝塚市すべて制度も違えば解釈も違った。同じ市の水道局でも職員が違えば違う答えが返って来る事もあった。正直戸惑った。しかし我々は引込工事のプロである。職員に何故、どうして、この場合はどうなる? と質問を何度もぶつけて現場概要の本質を探った。

実はここだけの話、水道局職員は質問した以上の回答はくれないのだ。だから現場の状況を掘り下げて調査、協議しないと最も有益な形での施工には辿り着けないのである。各自治体によって独特の制度がある事にも注意してする必要がある。鉛管撤去の助成金、本管敷設の要望等、ある市では無償の工事が、別の市では有償であるといった場合も数多くある。




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度か複雑な物件の引込工事をこなした。その時、「今まで任せていた引込屋ってこんな調査していなかったよなぁ」といった事に気づいた。自分は今まで建物内部の工事をやってきた。だから事前にわかる問題がある。事業主と直接交渉するから現場の注意するべき点がわかる。だから今まで追加工事が発生する事は一度もなかった。これは自分にしかできないと思った。わたしはこの仕事で地域ナンバー1になる事を決意した。

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いごに、現場には様々な業者の人がいる。そして人には様々な関係がある。対等であるはずの関係でも何かしらの上下関係があったり、知り合いになった順番が違うだけで関係が不利になったりする。しかし我々の仕事は良い家造りに貢献する事である。わたしは現場において人間関係による遠慮等は無用の長物だと考える。知合い業者からの紹介も安心だが、是非皆さんには自分で業者を選択できる知識を身につけて頂きたい。

わたしは多少同業者から叩かれるのを承知で、皆さんに引込工事の実態を知って頂きたい思い、このホームページには表現できなかった真実の情報を一冊のガイドブックにまとめました。ご希望の方は無料で差し上げます。あなたの利益の肥しにしてください。

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